2011年8月、プロヴァンス地方の玄関口アヴィニョンに程近いラングドック地方最東端の村を目指しました。 ドメーヌ・ド・クレッサンスは南仏ガール県ウゼスにある2003年創業のドメーヌ。16Haの畑を管理するのはクロード・ジャンドロ、たった一人。彼はリヨンで生まれ ワイン造りを人生の仕事と決断するまでは物流会社の営業マンでした。退社後、ブルゴーニュのリセ・ド・ボーヌで研修
し、コートロティのGerin Jean Michaelで4 ヶ月働き準備を進めました。 |
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36歳でドメーヌは立ち上げるにあたりこの土地を選んだ理由は、3つの異なる土壌に多様な品種が植わっており、個性的なワイン造りのポテンシャルを強く感じたからです。 メジャー品種をコーポラティブやネゴシアンに売るような仕事はしたくないという彼は、畑仕事から瓶詰めまで独りでこなし、大切なことは「パッション (情熱)しかない」と言い切る情熱の男です。カーブも自力で建て、ドメーヌ名をCressance (creation=創造とnaissance=誕生から来た造語)としたことは、まさに彼のこの事業に掛ける思い入れが感じられます。
昼夜の寒暖の差があることに加え日照時間が長く強いことから、ブドウが良く生育しますが、セヴェンヌは山からの冷涼な風が吹き下ろし地中海の影響もあり、思いのほか気候が涼しく、収穫を遅らせることもあるのだといいます。
ジュラ紀の堆積土による土壌のバラエティーは豊かで、ブドウに幅広い味わいと奥行きをもたらします。ドメーヌ創業当時より化学肥料は一切使わず、必要な時だけ有機肥料を用いることで土をならしてきました。2010
年からはビオディナミ栽培を取り入れDemeterの取得を考えています。 ワイン評価誌Review de vin de Franceでは常に高得点、Guide
Hachette des vins2006ではブドウ3つを獲得など現地で絶大なく評価得るよう になりました。驚くべきは赤白ともにその凝縮感。ブドウが生育する環境がもともと最高のエリアであることを差し引いても、手の込んだ畑作りと清潔な
醸造所からしか生まれないピュア以外のなにものでもない味わいは、とにかく圧巻です。 |